│ 糊 │ 紙 │ 裂 │
素材のこだわり
新糊は、小麦粉の澱粉質を炊きあげたもので、本紙や裂の肌裏打に使用します。
古糊は、大寒に炊いた新糊を甕に入れて10年ほど寝かせたもの。接着力の弱くなったこの糊は、裏打の後、硬化して折れを生じることがなく、増裏打、中裏打、総裏打に使用します。毎年寒中には糊炊きをし、10余年先に備えています。

和紙は寒いときに漉いたものが良いとされています。冬の最中、清冽な水と空気のなかで漉かれた紙は、キッパリとしているようです。漉かれてすぐには使わずに、しばらく寝かせて枯れるのを待ちます。
美濃紙、石州紙、黒谷紙、宇陀紙、美栖紙、混合紙・・・などなど、すぐには使うあてのない紙が、紙棚で枯れながら出番を待っています。また、若い人たちが練習に毎夜継いだ反古紙は、巻かれたまま積み上げられ、やがて襖や屏風の下張りに使われます。

古い本紙には、古い裂の方がよく似合います。本紙と同時代の裂があればよいのですが、とても入手は困難なため、名物裂や時代裂から写し、新たに織りおこしています。
一幅のために織りおこした一反は、次の時代への財産となっていきます。実際にいま私どもが取合せをしている裂も、ほとんどは前の時代の人々が用意しておいてくれたものです。
