本紙の旧修理状況、剥落状況、折損および欠損状況、虫やカビなどの損傷等現状を確認し、調書を作成します。
その後、表面の埃などを除去します。
膠水にて絵具の剥落止めを行います。絵具の定着後に軸木、裂地、本紙などの解体を行います。
本紙裏面より、旧裏打紙を除去します。その後、新たな和紙にて肌裏打、増裏打を行います。
肌裏打には新糊と美濃紙を用い、増裏打には古糊と美栖紙を使用します。本紙と裂地の厚さを合せ、裏打後の腰の強さを整えます。
絹地の欠損箇所には似寄りの絹地(電子線劣化絹)に上げ写しで欠失部分を写しとります。デザインカッター等を使ってくりぬいた絹地をすき間のないよう欠失部に埋め込みます。
紙本の場合は、肌裏打の直前に裏面より似寄りの紙にて繕います。欠失部に合わせて形づくった補修紙は和紙の毛羽を糊代として、糊付けします。
補絹や補紙の部分には、付近の地色に合せて補彩します。原則として、描きおこしはしません。
本紙と同様に裏打を施した裂地を、本紙の周りに取り付けます。
表具に厚みを持たせるために、中裏打を行います。中裏打の紙の厚さや回数は表具の大きさにより違い、 掛り具合の良い厚さは経験に基づいてきめます。
宇陀紙と古糊で、最後の裏打を施します。同時に、上巻絹、上下の軸袋なども取り付けます。
軸首、上下軸木、釻などの金具類、紐、風帯を取り付け、軸装に仕立てあげます。


以上の工程を経て、軸装は美しく甦ります。